What’s Unconscious Bias?

アンコンシャスバイアスとは?
アンコンシャスバイアス
(unconscious bias)

私たちは、何かを見たり、聞いたり、感じたりしたときに、「無意識に“こうだ”と思い込むこと」があります。これを、アンコンシャスバイアス(unconscious bias)といいます。日本語では、「無意識の思い込み」や、略して「アンコン」などとも表現されています(※)

小・中学生のみなさんへ
たとえば…
  • 血液型を聞くと、とっさに、
    “こんな性格だ”と思う

    …………

    本当にそうかな?
    血液型と性格は、関係ないかも?

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  • 赤いランドセルをみると、
    とっさに、女の子のものだと思う

    …………

    もしかしたら、ちがうかも?

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  • 「親が単身赴任中」と聞くと、
    とっさに、父親のことだと思う

    …………

    もしかしたら、母親かも?

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  • 「親が乳がん」と聞くと、とっさに、
    母親のことだと思う

    …………

    もしかしたら、父親かも?

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  • 「私には、どうせ無理」と、とっさに
    思うことがある

    …………

    もしかしたら、無理じゃないかも?!

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いかがでしたか?

「私は、どれもあてはまらなかった」という方や、「ここに記載のことを、思ったことはない」という方もいたかもしれませんが、ここに記載していることは、アンコンシャスバイアスとなりうる可能性がある、ごく一部の例です。

アンコンシャスバイアスは、「相手」に対するものもあれば、「自分自身」に対するもの、「モノ」に対するもの等もあり、日常や職場にあふれていて、誰にでもありうるものです。

アンコンシャスバイアスは、過去の経験や見聞きしてきたことに影響をうけており、完全になくすことはできません。

無意識がゆえに気づきにくいかもしれませんが、ただ、もしかしたら、「事例」や「専門用語」などがヒントとなり、ハッ!と気づくことや、わたしにも、こんなアンコンシャスバイアスがあるかもしれない!とふりかえることができるかもしれません。

また、「アンコンシャスバイアスに気づこう!」と意識することで、モノの見方やとらえ方が変わったり、他の可能性を考えてみようと思えたり、一歩踏み出してみようという勇気がもてる等、様々な変化がおとずれるかもしれません。

専門用語をヒントに、
私のアンコンシャスバイアスを
振り返る

アンコンシャスバイアスは、無意識がゆえに、なかなか気づきにくいかもしれません。
そのため、気づくヒントとして、専門用語をご紹介します。

「私」にはどんなアンコンシャスバイアスがあるのだろうか?と、思いめぐらせてみてください

専門用語からアンコンシャスバイアスを振り返る

ステレオタイプ

(性別、学歴、世代など)ある属性に対する先入観や固定観念で、「みんなそうだ」と思い込む傾向

ジェンダーバイアス

ジェンダーに対する先入観や固定観念で決めつけたモノの見方をする傾向

正常性バイアス

警告のシグナルを軽んじ、「このくらい問題ない」「自分は大丈夫」と思い込む傾向

確証バイアス

自分の考えを支持する情報や、自分が期待する情報だけを集めたくなる傾向

同調バイアス

「周りに合わせたほうがいい」等、周りの言動にあわせたくなる傾向

権威バイアス

権威があると思える人の言動に対して、「従った方がいい」と思い込む傾向

サンクコスト効果

費やしたお金や労力、時間にとらわれて、「継続したほうがいい」と思い込む傾向

現状維持バイアス

「このままがいい」「このままでいい」等、現状維持を好み、変化を避けたくなる傾向

インポスター症候群

周りから評価されていても、「私にはムリ」等、自分を過小評価する傾向

ネガティビティバイアス

肯定的な情報よりも、否定的な情報のほうにひきずられる傾向

※専門用語(認知バイアス)は200種類以上あるなかから、一部をご紹介させていただきました。

アンコンシャスバイアスに
どう対応するか?

ネガティブな影響を防ぐための
3つの対処法

  • 対処法1:気づこうとする


    アンコンシャスバイアスは、無意識がゆえに気づきにくいかもしれません。だからこそ、「これって、私のアンコン?」を合言葉に、気づこうとすることが大切なはじめの一歩です。

  • 対処法2:決めつけない


    アンコンシャスバイアスは、決めつけの言動となってあらわれることがあります。

    相手に対する決めつけは、存在意義の否定につながるかもしれません。
    自分に対する決めつけは、可能性を狭めることにつながるかもしれません。

  • 対処法3:対話を大切に


    アンコンシャスバイアスは誰にでもありうるものです。だからこそ、「もっと話そう」「互いに確認しよう」など、対話の時間がカギをにぎります。対話により、モノの見方が変わったり、自分自身の思い違いなどに気づくことができるかもしれません。

アンコンシャスバイアスの影響は多岐にわたる

私たち一人ひとりが、アンコンシャスバイアスに向き合い続けないと、次のようなネガティブな影響となってあらわれるかもしれません。

社会・組織において

・一人ひとりがイキイキと活躍できない
・男女共同参画社会が実現しない
・人権侵害・ハラスメント問題
・コンプライアンス違反
・新しい事業・商品・技術がうまれない
・職場の安全衛生面への影響
・広告や企業メッセージ等の炎上
・仕事との両立への影響
(育児・介護や病気治療等)

個人における影響例

・進路、進学、キャリア等への影響
・新たな挑戦ができない
・成長の機会を失う
・人間関係のトラブルにつながう
・働き方や生き方の可能性を狭める
・正常性バイアス等による災害時の影響
・QOL(クオリティ・オブ・ライフ)への影響
・固定的な性別役割分担意識に捉われる

アンコンシャスバイアスに
気づくと、どんないいことが?

ー気づいてよかった事例ー

◆ある小学生の声◆
友だちと喧嘩をしたときに、「あの子が悪いに決まっている!」と思うことが多かったのですが、アンコンシャスバイアス授業をうけてからは、「これってわたしのアンコンかな?」と気づいて、
ごめんねが言えるようになりました!

◆ある保護者の声◆
子どもに対して、「決めつけの言葉」をつかっている自分に気づくことができました。親のアンコンが、子どもの可能性を狭めていることに気づくことができて、本当によかったと感じています。

◆ある営業職の声◆
「どうせこのお客様は○○だ」等、お客様に対するアンコンに気づいくことで、提案の幅が広がったのを感じています。

◆ある管理職の声◆
誰に、このプロジェクトを任せるかを考えていた時に、アンコンに気づいてよかった!ということがありました。「この仕事を任せるには、まだ早いかな…。ムリだろうな…」と、一瞬、頭をよぎったのですが、「アンコンかもしれないな」と思い、任せてみました。結果、期待以上の成果を発揮してくれました。アンコンシャスバイアスに気づいてよかった!と思った瞬間でした。

ひとりひとりがイキイキと
活躍するために

『100人が同じでも、101人目は違うかもしれません』
「これまでに出会った100人はみんなこうだった!」や、「これまでに出会った100人は傷つかなかった!」と思うことがあったとしても、101人目は違うかもしれません。

『過去と、今と、未来は違うかもしれません』
​「過去はこれがあたり前だった!」「過去は問題なかった!」と思うことがあったとしても、過去と今、そして未来とでは違うかもしれません。

『これって、アンコン?』
「これって、アンコン?」を合言葉に、一人ひとり、その時々と向き合うことを、ぜひ大切にしていただければと思います。

特記事項

<注1>
日本語訳について

アンコンシャスバイアス研究所では、
アンコンシャスバイアスに日本語をそえる必要がある場合には、「無意識の偏見」という意訳ではなく、「無意識の思い込み」を意図的に採択しています。

<理由>
「無意識の思い込み」という表現を採択している最も大きな理由は、アンコンシャスバイアスは、「相手」に対するものだけでなく、「自分自身」や「モノ」に対するもの等もあるからです。

「自分自身に対するアンコンシャスバイアスとは?」

一例をあげると、「私にはどうせ無理だ…」などがあげられます。自分自身に対するアンコンシャスバイアスを日本語で表現することを思うと、偏見ではなく、「私にはどうせ無理だと無意識に思い込むこと」としたほうがよいとの考えに至りました。

また、様々事例に日本語をあてはめていったときに、「無意識の偏見」という意訳では、フィットしないと感じるものが様々にあったため、「無意識の思い込み」という意訳を採択するに至りました。

アンコンシャスバイアスに気づこうとすることは、自分自身の可能性を広げることにも繋がります。「アンコンシャスバイアスに気づいてよかった!」ということが、相手に対してだけでなく、自分自身に対する気づきの良さも同時に広がってほしいとの願いもあり、アンコンシャスバイアスに日本語意訳をそえる場合には、「無意識の思い込み」を採択するに至りました。

<注2>
アンコンとは?

「アンコンシャスバイアス」という言葉を短くして(省略して)、アンコンという略語をつかっています。
「これって、アンコン?」を合言葉に、気軽に振り返ってほしいとの思いから、「アンコン」という略語をつかっています。

著作権について

アンコンシャスバイアス研究所のHPをはじめとした著作物を参考に、記事制作をする場合には、「アンコンシャスバイアス」について誤った伝わり方・表現がないように、前後文脈ふくめた確認をさせていただいております。

<お願い>
このページを参照・引用し、広報物を制作する場合はその内容をお送りください。なお、広報物の修正が複数個所に及ぶ場合には監修料のご相談をさせていただきます
※無断転載の通報が増えていますのでご注意ください

出所の明示

著作権法を遵守した範囲内の引用であっても、出所の明示は必要です。必ず明記をお願いします。

出典:一般社団法人アンコンシャスバイアス研究所ホームページ

参照し、編集加工した場合

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