【論文掲載】がん診断後の働き方に対する満足度の規定要因

 


日本キャリアデザイン学会の学会誌
『キャリアデザイン研究vol.19』に論文が掲載されました


 

この度、日本キャリアデザイン学会の学会誌『キャリアデザイン研究vol.19』に、論文が掲載されましたのでご報告させていただきます。

 

がん診断後の働き方に対する満足度の規定要因
─本人のアンコンシャスバイアス特性と上司の理解や支援に注目して─
松浦 民恵, 守屋 智敬, 太田 博子

 

論文ダウンロード:こちらより
発行日: 2023 年
J-STAGE公開日: 2023/10/07

 

 

この論文は、法政大学 キャリアデザイン学部 松浦民恵教授と、一般社団法人アンコンシャスバイアス研究所とが共同研究として実施した「がんと仕事に関する意識調査」を分析した結果となります。

 

分析に使用したアンケート調査の実施及び回答にご協力頂いたすべての皆さまに、心より、御礼申し上げます。有難うございました!


「がんと仕事」に関する意識調査
~これまでの取り組み~


 

2020年10月
・法政大学の松浦民恵教授に調査について相談
・約2年間にわたり、テーマ検討、調査票設計等を行う

 

2022年1~2月
・アンケート調査を実施
・3,166名(がん経験者:1,055名/がん経験者以外:2,111名)の声が寄せられる

 

2022年8月
・「がんと仕事に関する意識調査」報告書を公表
・特設ページを開設:「がんと仕事に関する意識調査」
・TV、新聞、雑誌など、多くのメディアで取り上げられる

 

2022年9月
・日本キャリアデザイン学会で発表

 

2023年8月
「がんと仕事に関する意識調査」報告書の詳細データを公表

 

2023年10月
・日本キャリアデザイン学会の学会誌『キャリアデザイン研究vol.19』に論文掲載

<これまでのメディア掲載情報(一部ご紹介)>

▼2023年10月 月刊経団連
▼2022年12月 婦人画報
​▼2022年10月5日 NHK「視点・論点」
▼2022年10月 ライフライン21 がんの先進医療
▼2022年9月12日 日本経済新聞 夕刊
▼2022年9月 旬刊 福利厚生 (No.2352)
▼2022年8月23日 一筆多論『がんと無意識の思い込み』(産経新聞)
▼2022年8月17日 FNNプライムオンライン
▼2022年8月12日 NHK「おはよう日本」
▼2022年8月10日 BuzzFeed
▼2022年8月9日 FraU
▼2022年8月4日 ラジオ「町亞聖のスマートNEWS」

<調査によせた思い>

 がんと仕事に関する意識調査の公表にあたり、アンコンシャスバイアス研究所 代表理事守屋智敬が伝えたメッセージがあります。

 

 それは、今回の調査は、がんと共に働くを応援できればと願って実施したものですが、「がんになっても治療しながら働き続けることが、何よりも良いことなのだ」と主張したいわけではないということです。「がんになって働き続けるかどうか」「どのように働くか」に正解はなく、それぞれの人がそれぞれの状況に応じて納得のいく決断をし、それを実現できることが望ましいと考えています。

 

 調査をとおして、「がん」や「がん治療と仕事の両立」にひそむ様々ななアンコンシャスバイアスやその影響が浮き彫りとなりました。「がんになったら、今までどおり働くことはできないだろう」というアンコンシャスバイアスは、「これまでどおり働いた人が6割いた」という本調査結果により、上書きされるといったこともあるかもしれません。

 

 がん罹患者の3人に1人は、働く世代(15~64歳)といわれています。

 

 この調査結果が、「がんと診断をうけた人」と、「その周囲(経営層、管理職、職場メンバー、家族、医療従事者など)の人」のがんに対するアンコンシャスバイアスに気づくきかっけとなり、“がんと共に働く”を応援する社会に一歩でも、二歩でもつながるきっかけとなることを願います。

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